6人目
鼻血を垂らし、鼻を押さえる警察官。

「おい、大丈夫か」

同僚の警察官が声をかける。

「……」

逃げるでも、暴れるでもなく、佇んでいる男。

薄く笑い、鼻血を流す警察官を嘲笑うようにも見える。

警察官とて人の子、愚弄されれば怒りを覚える。

「貴様!」

反射的に腰の特殊警棒を抜き、振り上げる!

「公務執行妨害で逮…」

しかし、その特殊警棒は止められた。

警察官が振り下ろすよりも速く、男が片手で受け止めたのだ。

そして。

「公務執行妨害だ?」

隙だらけの腹に、ボディブロー!

「何様だ、国の飼い犬の警察官風情が」

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