6人目
「空砲…という奴か」

痛めつけていた警察官を放し、男は拳銃を持った警察官の方を向いた。

「確か、威嚇射撃無しには拳銃を撃つ事さえできないそうだな、警察官は。フン…何とも腑抜けた国家の犬だ」

拳銃を手にした警察官を恐れる事もなく、男は一歩一歩、ゆっくりと歩み寄っていく。

「う、動くな!」

警察官は銃口を向けた。

「止まれ!止まらなければ撃つ!」

「撃て」

警察官の警告を無視して、男はスタスタと歩み寄っていく。

「止まれ!」

「遠慮するな、撃て」

薄く笑いながら、男は近付く。

「そんなものでこの俺様が殺せると思っているのならば、遠慮なく撃つといい」

「最後通告だ!止まれ!」

警察官が叫ぶが、男は止まらない。

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