キミを思うと
「ひまだなー」
この家では特にすることも無く毎日ぼーっとしながら過ごしていた。
時々窓から森の中の景色を見たり、空の様子を見たりして楽しんでいた。
美虹はそれをするのがとても楽しかった。
だけど見るたびに、美虹は悲しくなった。
自分がもし外に出れたらいつでも、森の中を駆け回ったりできるのかと思っていたからだ
(かみさま、おねがいです。いつかそとにでれますように)
外を見ながら願っていた。
いつの間にか日は沈み、夜になっていた。
「きょうはきれいなまんげつだー」
窓から見える月に感動しながらふと疑問に思った。
「きょうはしずかだなぁー」
何でだろうと思いながら、扉の方に近づきそぉーっと開けてみると、いつも扉に立っている人がいなかった。
そして、まわりを見渡してもひとはいなかった。