浮気性彼氏さま。
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月曜日。
今日も伊織くんは金曜日に引き続き私の彼氏だ。
そしてそんな素敵な月曜日の朝。
たまたま通学中に伊織くんとばったり会った。
…………綺麗なお姉様と濃厚なキスをしてから車から降りる伊織くんと。
「…………おはよ」
とりあえず今日は私が伊織くんの彼女だし、無視することもできないので気まずそうに挨拶をする。
素敵な朝から一気に最悪な朝だ。
「あぁ、花奈。おはよ」
私に声をかけられすぐに何事もなかったかのように花のような笑みを浮かべる伊織くん。
私に見られていようがいまいが伊織くんには関係ないこと。
そんなこと私だって痛いほどわかる。
伊織くんが私の見えない所でどんなことをしているとか。
わかっていても好きだから離れられない。