浮気性彼氏さま。
目的地を目指して他愛のない会話をしながら京治と廊下を歩く。
てか、相手が京治だと浮気と言うよりもいつも通りすぎて平常運転といいますか……何と言いますか……。
つまりは何も変わってない。
「あ」
前から伊織くんと火曜日の彼女さんマーサ先輩が2人で歩いている所を見て声が出る。
さすが私の伊織くんレーダー。
遠くからでも見逃さない。
綺麗で大人っぽいマーサ先輩と並ぶ伊織くん。
昨日まではそこに私がいたはずなのに。
うぅ、ヤキモチ妬くなんてそんな立場じゃないのに私。
「何て顔してんの」
グイッ
一瞬にして伊織くんに全てを持っていかれた私の腕を隣にいた京治がいきなり引っ張る。
え、何。