浮気性彼氏さま。
いつもなら伊織くんが同じ空間にいるだけで私は全てを伊織君に奪われて、伊織くんのことしか考えられないのに。
この時だけは伊織くん以外のものに全てを奪われてしまった。
だから気づかなかったんだ。
「ねぇ、伊織、あれ花奈ちゃんじゃない?イケメンとイチャついてる子。こっちに全然気づいてないっぽいけど」
「そーだね」
伊織くんがマーサ先輩と私たちをガン見していたことに。
伊織くんの冷めたような表情に。