浮気性彼氏さま。
「他の男のものなんて身に付けないでよ」
危うい瞳で私を捉えて。
伊織くんが壊れそうなほど儚い笑みを浮かべる。
ドクンッ
私はこの人にひどいことをされている。
壁に叩きつけられて、傷口噛まれて、さらには無理やり服を脱がされて。
わかってる。
だけどこれが彼の今まで見たことない必死、なのだ。
そう思うだけで彼を許してしまう自分がいる。
何をされても大好きなんだと改めて自覚してしまう自分がいる。
今日の彼は私の彼氏じゃないのに。