浮気性彼氏さま。












「………いない」









中庭、家庭科室、屋上。




思い当たる場所を全てを探し、最後に屋上にやってきた訳だけどここにも伊織くんの姿はない。







あぁ、どんどん伊織くんと過ごす時間がなくなっていく。







「あ」







立ち入り禁止の場所。






ふと思い浮かんだ新たな候補地に声を漏らす。






屋上には立ち入り禁止の小さな倉庫みたいな場所がある。




そこにはこっそり職員室から鍵を取って伊織くんとたまに入っていた。






もう、そこくらいしかないだろう。






立ち入り禁止の倉庫のドアノブに手を触れる。






お願い、開いて。






ガチャッ






私の思いは見事に通り、扉がゆっくりと開かれる。





やったぁ!!



やっと伊織くんに会える!!














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