浮気性彼氏さま。
「ずっと好きだった。誰よりも近くでずっとそばに居られればそれでよかった。なのにあんな顔だけの女好きなんかを好きになって、1番じゃなくてもそばにいられるだけでも幸せだと花奈が笑うから……。奪いたくなった」
ドクンッ
心臓がうるさい。
ゆっくり、ゆっくりと。
今までの想いを私に京治が伝えていく。
その想いはまるで毒のように私の感覚を麻痺させた。
「忘れさせるよ、あんな奴。だから俺にしてよ、花奈」
切ない瞳が私を捉える。
京治はとても優しい。
一緒にいて楽しい。
長い付き合いもあり、そばにいることが心地いい数少ない人物の1人。
それでも私は、いやだからこそ私は………