浮気性彼氏さま。
事の発端は今学期最後の登校日の午前中のこと。
たまたま京治と2人で話していた所を伊織くんが目撃したことから始まった。
伊織くん、何故か京治のことめちゃくちゃ嫌いなんだよね。
でもさ………
「伊織くんだって綺麗なお姉様方とよく話してるし、昨日なんてキスしてたじゃん!!私、見てたんだから!!」
こちらも負けじと反撃。
そう、私なんかはお喋りどころかキス現場を目撃していた。
まぁ、慣れているから多少は我慢できるけど。
「僕はいいの、僕は。でも花奈はダメ」
「何でだよ!!この浮気者!!」
花のように愛らしく微笑む伊織くんにツッコム。
何て自己中心的なんだ。
「浮気じゃないよ?そもそもあのキスはあっちが無理やりしてきたんだし」
「じゃあ、無理やりなら私が京治とキスしてても言い訳?」
「…………何でそこでアイツ名指しで出てくるんだよ」
余裕のある笑みが私の台詞により突然なくなり、冷たい視線が向けられる。
…………京治の名前出すのはさすがにやばかった?