浮気性彼氏さま。











「伊織くん、ごめん」







ポロリと私から自然と出た言葉。




申し訳なくて申し訳なくて出た言葉なのに少しして自分の口から何が出てしまったのか気づいてしまう。






私、間違えて〝伊織くん〟って言っちゃった。








すぐに謝ろうとした。



また謝ればバカとか言って笑って許してくれると思っていた。





でも……








「そうやって呼び間違えてしまうほどアイツのことまだ忘れられない?」







トンッ







「………っ」







京治の酷く静かな声と共に私の世界は京治に軽く肩を押されたことにより反転した。







私の下には床。



私の上には切なげな表情を浮かべる京治。















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