僕の知らない、いつかの君へ
◇1◇嘘つきなヤマトヌマエビ
そう、それはちょっとした悪戯心。
誰かを騙してやろうなんて考えていたわけでもないし、それくらいたいしたことないと思っていた。
ちょっと思いついただけの、ほんの悪ふざけみたいなもの。
きみはどんな人なんだろう。
顔も年令も、本当の性別もわからない。
本当のことは、何ひとつ知らない。
ぜんぶ嘘だったとしても、俺との会話だけは嘘じゃないと信じたかった。
これは
まだ知らない君との恋の話。
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