S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


豆腐屋の娘と同じ評価だったなんて事実を口にするのさえ嫌がりそうなのに。



「ちょっと、変な呼び方をするのはよしてちょうだい……!」


「……すみません、つい!あっ……えと、気をつけますので!すみません!」


「はぁ……。別に謝罪まで要求していないでしょう!つまり、わたくしが言いたいのは……っ、もっと豆腐屋も自信を持ちなさいってことよ!」


「っ、」



これは、きっと私のことを励ましてくれてるんだよね?


お嬢様なりに、庶民の私をほんの少し受け入れてくれたって思ってもいいのかな……。



「ありがとうございます……私、もっと頑張ります……!」



お嬢様は「こちらまで恥ずかしいわ!」なんて言いながら顔を赤くしていた。


そんな優しいこと言われたら、ますます辞めたくないって思っちゃうよ……。


この学園でもっと挑戦したいって。



テラスで顔面からフォアグラに崩れ落ちた時は、ちょっといい気味と思ってしまったことを後悔した。

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