S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
だけど今年の春、私はとある理由により椿と同じ学園へ通うことになった。
それはある目的のためだ……!!
まもなくあの“ 異次元 ”のような学校へ向かわねば、入学式の次の日から遅刻ではないか。
「ヒィッ!!!」
ギロリとこちりに目を向けるお城を守る番人のSP。
深呼吸したらその白いシャツ破けるよね……?
と思うくらいの胸筋マッチョと目が合った。
「待て。潰れた豆腐屋の娘がなにか用か?」
その豆腐屋の娘とは私のことである……。
お城の隣にある“ 榎並豆腐店 ”と書かれた看板が傾きかけてはいるが、本日も元気に営業しております……。
なのになんて失礼なことを言うSPなんだろうか……。
「す、すみません……!見てただけです!」
非常に失礼な胸筋マッチョだが、恐れた私は慌ててその場から離れた、その時……。
お城から出てくる白くて長い一台の車が見えた。