S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
それに図星をつかれた気がした私は、なんとか隠そうとブンブン首を振って否定してみせる。
「ふーん」
「な、なに……?」
痛い視線を感じて私が問いかけると、
「俺は会いたかったよ?」
「へっ……?」
思わずマヌケな声が零れた。
表情ひとつ変えずに椿はツーンとした顔で私を見ると、はぁっと盛大に溜め息をつく。
「三年もお前に会えないとか、なにこれ。拷問すぎでしょ。やっと解放される」
「……っ、なにバカなこと言ってんのっ」
けど、これは椿の平常運転なのだ。
子供の頃から私に対して椿は思ったことを口にする。
それが例え私が恥ずかしくなるような台詞でも……だ。
「バカなのは明里だろ。なんでわかんないの?」
「わ、わかんない……!?」
なにを……!?