S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


それに図星をつかれた気がした私は、なんとか隠そうとブンブン首を振って否定してみせる。



「ふーん」


「な、なに……?」



痛い視線を感じて私が問いかけると、



「俺は会いたかったよ?」


「へっ……?」



思わずマヌケな声が零れた。


表情ひとつ変えずに椿はツーンとした顔で私を見ると、はぁっと盛大に溜め息をつく。



「三年もお前に会えないとか、なにこれ。拷問すぎでしょ。やっと解放される」


「……っ、なにバカなこと言ってんのっ」



けど、これは椿の平常運転なのだ。


子供の頃から私に対して椿は思ったことを口にする。


それが例え私が恥ずかしくなるような台詞でも……だ。



「バカなのは明里だろ。なんでわかんないの?」


「わ、わかんない……!?」



なにを……!?

< 9 / 358 >

この作品をシェア

pagetop