夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「本当だ。…一緒に見れたな。」
俺がそう言って微笑むと、アカリも嬉しそうに微笑って…。その直後に「あ!願い事するの忘れたぁ〜!」って騒ぎ出した。
その姿が可愛くて、思わず吹き出して笑うと彼女が顔を真っ赤にして拗ねたように見つめてくる。
先の見えない、分からない未来ばかり気にしないで、俺の目の前にある確かな幸せを大切にして生きていこう。って、思えた。
「……決めた。」
「?……決めた、って。何を?」
「俺達の次の子供の名前、決めた。」
「!……へ?」
俺の突然の言葉に、アカリは呆気に取られて固まった。
そんな彼女の手を取ると、その手の平に俺は自分の人差し指で文字を書きながら説明する。
「輝くの”輝”って書いて、”ヒカル”。
今日アカリと見た綺麗な星空を、ずっと忘れずに生きていけるように。
……で、いつか。
また、ここに来よう?家族みんなで星を見たい。」
「///…ヴァロン。」
俺の言葉に、アカリは嬉しそうに頷いてくれた。