夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
ミネアのサッパリとしたところは嫌いではなかったし、次期社長として彼女と仕事の話をした時は、正直驚かされたり考えさせられる事の連続で楽しかった。
そう言えば、近いうちにこの辺りで大きな仕事があるって聞いていたから…。その関係で滞在しているんだろうな。
「……綺麗な人、だったね。」
「…え?……。」
ミネアの事を思い出していた俺に、アカリが言った。
「あの人、だよね?
ヴァロンと一緒に、雑誌に…書かれてた女性。」
「……。」
じっとアカリの真っ直ぐな瞳に見つめられて、俺は自分の失言に気付く。
アカリには嘘が付けず、ペラペラと素直にミネアね名前を出してしまった。
”本命の前で、呼び捨てで別の女の名前を出すのはトラブルの元よ!”って、昔リディアに散々言われてきたのに…。
「っ……アカリ、あの……。」
「!…あ、違うのっ。
お、怒ってる訳でも…疑ってる訳でもないの。」
変な誤解を与えてしまったかと戸惑う俺に、アカリは微笑んで首を横に振ると、そっと寄り添ってきて胸に顔を埋める。