夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

結ばれる人ではないと分かりながらも、焦がれて焦がれて…。
消える事のない、想いと恋心。


そんな私の目の前に現れたのは、マオ様だった。
そっくり…。ではないが、黒縁の眼鏡の奥に秘められた優しい眼差し。
何よりも彼を取り巻く雰囲気が、リオン様にとてもよく似ていた。

マオ様と居ると胸が弾んで、話していると楽しくて…。
やっと幼い初恋から卒業出来て、運命の人に巡り会えたと思ったわ。


そのマオ様は、アラン様のお仕事の手伝いを終えて国へ帰ってしまったと聞いたけど…。
私は絶対に、もう一度会えると感じていた。

だって、彼は必要な人だから。
会社にも、私にとってもかけがえのない存在だから…。


私は待とうと決めた。
マオ様しかいない。
もう、私の心惹かれる男性は彼以外あり得ない。


……そう、思っていた。…のに、……。

……
………。
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