夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
……でも、最悪!
綺麗なのは認めるけど、あの失礼な態度と目付き!
私が大好きな穏やかで優しい、リオン様やマオ様の瞳とは全く違う。
鋭い、獣のような眼光で私を睨んでくるなんて信じられなかった。
あんな男、今までいなかった。
私をあんな視線で見つめてきた男は、初めて…。
「っ…もうっ、苛々する…///。」
今まで男を知らなかった訳じゃない。
叶わない恋だと分かっていたリオン様への想いを打ち消す為に、マオ様と知り合うまで何人かの男性とそういう場は経験してきた。
それなのに…。
”…邪魔だから、さっさと行けよ。
…それとも。続き、見たいのか…?”…。
あの声と、仕草と、視線が忘れられない。
まるで、自分が抱かれているみたいな…。
……ううん。
今まで相手をしたどの男性よりも、きっと彼は比べものにならないくらいに、私を熱く焦がしてくれるだろうと直感で感じた。