夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【翌日/宿泊部屋】
「…よし。こんな感じ…かな。」
朝食を食べ終わった後、身支度を済ませた俺は全身鏡でもう一度自分を確認する。
今日は変装、というよりは…。
普段の自分をそのまま活かして、髪を染めている不良みたいな感じに仕上げた。
帽子を被って、サングラスを掛けて、服装も着崩して、持ってきていたズボンをワザと自分で切ってアレンジして…。
自宅ならばもっとマシに変装出来たが、旅先の持ち物ではこれが限界。
まさか、35歳にもなってこんなチャラい格好をする事になるとは思わなかった。
これは昨日姿を見られてしまったミネアに、万が一遭遇してしまった時の為の対策だった。
変に素の姿を隠して、黒髪に黒い瞳にスーツなんて着たら、ミネアと以前顔を合わせていた時の”マオ”の姿に近くなってしまう。
ヴァロンがマオ。
そう特定される事は、何がなんでも避けなくてはいけなかった。
それ故の、この変装姿。
しかし、何度見ても溜め息が出る。
「…よし。こんな感じ…かな。」
朝食を食べ終わった後、身支度を済ませた俺は全身鏡でもう一度自分を確認する。
今日は変装、というよりは…。
普段の自分をそのまま活かして、髪を染めている不良みたいな感じに仕上げた。
帽子を被って、サングラスを掛けて、服装も着崩して、持ってきていたズボンをワザと自分で切ってアレンジして…。
自宅ならばもっとマシに変装出来たが、旅先の持ち物ではこれが限界。
まさか、35歳にもなってこんなチャラい格好をする事になるとは思わなかった。
これは昨日姿を見られてしまったミネアに、万が一遭遇してしまった時の為の対策だった。
変に素の姿を隠して、黒髪に黒い瞳にスーツなんて着たら、ミネアと以前顔を合わせていた時の”マオ”の姿に近くなってしまう。
ヴァロンがマオ。
そう特定される事は、何がなんでも避けなくてはいけなかった。
それ故の、この変装姿。
しかし、何度見ても溜め息が出る。