夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「荷物は、俺が全部持つからさ。
アカリはお土産とか、ゆっくり見てもいいからな。」
今日はなるべく離れて歩こうと決めた。
自分の鞄と彼女の荷物を両手に持って歩き始めると…。
「っ…待って。…ヴァロン、待って!」
アカリは声を上げて、自分の荷物を持っている俺の手をグッと握る。
「貸して?」
「…え?……。」
「自分の荷物くらい、自分で持てるよ。」
彼女はそう言うと、俺の手から荷物を取って自分で持つと…。もう一方の空いている手で、俺の空いた手をぎゅっと繋いだ。
…そして。
呆然としている俺に、照れたような可愛い笑顔で見上げて言う。
「///…えへへ。
これなら、手…繋いで歩けるよね///?」
「…え?…っ…けど……。」
どう見ても大人しそうな服装のアカリとこの姿の俺がカップルなんて、違和感があると思った。