夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
アカリの問い掛けに手を握り返せず、俺が戸惑っていると、彼女は「あ!そっか!」とワザとらしいくらいの大きな声を上げて…。
一度手を放すと、鞄からクシと髪ゴムを取り出して、降ろしていた自分の髪をポニーテールにまとめ上げた。
「今のままじゃ、私がヴァロンに似合わないよね?
…どう?これなら少しは、元気な女の子に見えるかな?」
その行動をじっと見ていた俺にアカリは微笑って、自分のスカートを手で持ってヒラヒラさせる。
「あ〜スカートがちょっと、長いかな〜?
膝上くらいにしたら、ちょっとは変わる?」
俺に尋ねながら、スカートをたくし上げて膝上に調節すると、ベルトで固定して丈を短くした。
何も答えられずただ黙っている俺の前で、クルッと一回まわって、「どうかな?」って歯を見せて笑う元気な笑顔に…。
胸が、トクンッと暖かくなる。