夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【休憩スペース】

「…驚いたわ。
貴方、ちゃんと謝罪や感謝の言葉が言えたのね。」

「!……は?」

壁際の片隅にある長椅子にミネアと座って言われた、第一声がそれだった。

余計な話をするつもりはなかったし、一応万が一の事を考えて警戒していた俺は、予想外の言葉に思わず「は?」と声を漏らして顔をミネアに向ける。
すると、彼女はクスクスと笑いながら首を横に振った。


「あ、ごめんなさい。変な意味じゃないの。
…ただ。昨夜の口調とは全然違ったから、少し驚いただけ。」

「……。」

ミネアのその言葉に、驚いたのはこっちの方だと思わずにはいられない。
昨夜の俺をヴァロンだと気付いた時もそうだったが、社長令嬢でもない、次期社長の姿でもない彼女の姿に…。何だか妙な親しみを感じてしまう。
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