夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
……。
だから、か…?
ミネアにアカリを妻だと、結婚していると勘付かれたのに…。俺は驚きながらも、なんだかホッとして、嬉しかったんだ。
「…勘違いしないでね。別に言いふらしたりしないわ。
……むしろ。よかった、って安心してるの。」
「…安心?」
どういう意味かと俺が聞き返すと、彼女は自分の膝の上で頬杖をつきながら、隣から見上げるように頷いた。
「言ったでしょ、わたくしは貴方のファンなの。
…だから。
貴方が女グセの悪い男じゃなくて、ちゃんと一人の女性を愛せる人なんだな〜って、好感が上がったわ。」
「!……。
そういう、ものか…?」
ミネアの言葉に、俺は思わずもう一度聞き返していた。
彼女の言葉は、俺にとったら意外過ぎたから…。
恋人や家庭を持つ事は、人気を落としたり仕事上ではマイナスにしかならないと…。今までずっと周りに言われてきたし、俺自身も、そう思っていたんだ。