夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
これまでずっと当たり前だったけど、本当の自分を出せない毎日に…。俺はもがき続けてきたんだ。
ありのままで、居たかった。
そう思いながらも夢の配達人として生きていた頃は、たいして気に留めていなかっただけで…。アカリと結婚して、一緒に生活する様になって…。
ただの、一人の男になりたい。って、いつの間にかこれまでは抑えられていた気持ちが強くなっていた。
その溢れた想いの結果が、これ。
この旅行中、ちゃんと自分としてアカリの傍に居たかった俺は…。簡単に自らの素性を晒すような行動を、知らず知らずにしている。
それを、ミネアは見抜いた。
「…楽になればいいじゃない。
本当の自分を隠し続けるのは、疲れるし…辛いものね?」
「……。
あんたも、同じ…だからか?」
俺が質問を返すと、ミネアは「さぁね!」と言って視線を逸らした。