夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【イベント会場出入り口】

「アカリ、アクセサリー作り終わったのか?」

「!…ヴァロン!」

声を掛けながら駆け寄ると、俺に気付いたアカリはパッと笑顔になって、照れたように頷く。
そして、自分の握り締めていた両手を俺の前で開いて、作ったアクセサリーを見せてくれた。


「……!…あれ?
これ、ターコイズ…だろ?」

アカリの手の上にあったのは、ターコイズの天然石を使ったブレスレット。
3月生まれのアカリの天然石はアクアマリンの筈だ。と、じっとブレスレットを見つめていると…。


「///…ヴァロン、手…出して?」

「……え?」

呆然としている俺の左手をアカリは取ると、手首にそっと手作りのターコイズのブレスレットをはめてくれた。


「///…ヴァロンに、作ったの。貰ってくれる?」

「!……俺に、…?」

予想外のプレゼントに驚くと、アカリは俺の手を握り締めながら言葉を続ける。
< 148 / 402 >

この作品をシェア

pagetop