夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「ターコイズの石はね、ネガティブなエネルギーを払いのけて、困難を乗り越えて願望を達成するためのサポートをしてくれるんだって。」

「……。」

「…ヴァロン、最近何かに悩んでるみたいだったから……。心配、だったの。」

「っ……。」

アカリの言葉と気持ちに、胸がズキッと痛む。
俺が悩んでる、隠し事をしていると気付きながら…。彼女はずっと何も聞かないでいてくれたんだ。
その上、責める事も問い詰める事もしないで変わらず傍に居てくれる。

せっかくの旅行の想い出になる品を、俺の12月生まれの天然石であるターコイズを使って…。俺の為に、一生懸命作ってくれたんだ。


「…ちょっと、可愛すぎるかな?
あ、恥ずかしかったら…付けなくていいから……///。」

モジモジしながらゆっくり手を放そうとしたアカリの手を、俺は今度は自分から取ると、優しく包む様に握り締めた。
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