夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「……ありがとう、大好き///。」
起こさないように、持っていたハンカチで彼の顔の泥を拭っていると…。
ふと、去年のクリスマスイブに会ったクマさんの事を思い出した。
クマさんは言っていた。
黒い髪と黒い瞳が欲しくて、泥水を自ら被っていたというヴァロンの過去。
母親に愛されたくて、微笑ってほしくて、父親のようになりたいと願った幼い頃の彼。
”……アカリ。
俺と、ずっと一緒に生きて……。”…。
消えそうなくらいに、小さな声だった。
今でも、ヴァロンは怯えてるんだ。
自分のせいでご両親が幸せになれなかったんだって…。
自分のせいで、家族仲良く暮らせなかったんだって……。
どんな事があっても、私やヒナタは絶対に離れたりしない、って…。
どうしたらヴァロンをもっと安心させてあげられあるんだろう。