夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【2月10日/夢の配達人隠れ家の医務室】

「ヴァロンさん、お疲れ様です。
……体調はいかがですか?」

「おはよ、ホノカさん。
それがさ、全然絶好調なんだよね〜。健康診断の結果が、間違いなんじゃないか?って疑うくらい!……。
でも…。間違いじゃないんだよ、ね?」

ヴァロンさんは私の問い掛けに笑顔で答えながら椅子に座ると、質問を返してテーブルを挟んだ先にいる私を見つめた。
表情は笑っているけど、私を見つめるその視線は全てを悟っているかのように見える。


間違いだったら、どんなに良かっただろう。
去年の秋に受けてもらった健康診断。
夢の配達人の隠れ家では簡単な検査の結果しか出せない為、疑わしい箇所がある人物のものは医療整備の優れた場所に送られて結果を改めて出してもらう。
そして再検査では、そこで引っかかった項目を更に詳しく調べるのだ。

今日は、1月の終わりに受けてもらったその再検査の結果をヴァロンさんに告げる日。
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