夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

ヴァロンさんの気持ちは痛い程分かる。
自覚症状が出てしまっても、手術をして例えその結果が良性であっても、その期間は仕事が出来ない。
ずっとずっと守ってきた、大切な白金バッジと夢の配達人としての地位。
今までの自分を支えてきた源と言っていい仕事。それを…失ってしまうのだ。


「……それにさ。手術って、やるなら外国だよね?おまけに、俺って…。手術、難しいんじゃねぇかな?」

「!…それ、は……。」

私が詳しく口にする前に、察した様子のヴァロンさん。

…そう。
手術をするなら、この地を離れて医療技術や施設の優れた外国で行う事が得策。
そして、1番問題なのは…手術に使う輸血。
ヴァロンさんの血液型は少し特殊で、親戚のいない彼にとって、全くの他人からそれを見つけ出すのはとても難題。


……でも。
だからと言って諦めてほしくないし、私自身も諦めたくない。
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