夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

シュウさんや、アカリさんや、ヒナタちゃんの為だけじゃない。
私自身が、彼を心から救いたいと思った。


「…大丈夫です。私も全力で力になります!
だから、一緒に頑張りましょう!」

この人を死なせたくない。と、私の心が強く叫んでいた。

私の言葉に、ヴァロンさんは返事をする代わりに視線を合わせて微笑んでくれると…。呟くように言った。


「…でもさ。俺で、良かったよ。」

「!……え?」

その呟きに私が思わず聞き返すと、ヴァロンさんはとても優しい表情で話し続ける。


「ヒナが、最近掴まり立ちして歩くんだけどさ…。俺が反対側で待ってると、嬉しそうにこっちに来ようとして、手を放して歩こうとするのね?
でも、俺。”危ない!”って思って、ついつい自分から歩み寄って支えて、甘やかしちゃうんだ。」

そう言ってヴァロンさんは、幸せそうに微笑っていた。
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