夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「パパが喜んでくれる様に、美味しく作らなきゃ。…ヒナ、お家に帰ったらお利口さんにしててね?」
無邪気に微笑むヒナタの頬を、指でつんつんと突きながら私は帰路を歩き出す。
最近のヒナタは掴まり立ちをよくするし、手に届く物を何でも掴もうとするから危なっかしくて放っておけない。
大人しく寝てくれたらいいのだけど、そう都合良くはいかず、毎日大変だ。
それにヴァロンが甘やかしてすぐに抱っこしちゃうから、すっかり抱き癖が付いて何かあると抱っこをせがんでくる始末。
でも…。
”いいじゃん。甘えてきてくれるなんて、今のうちだけなんだから。な〜?ヒナ。”
って、すごく嬉しそうにヴァロンに言われちゃうと…。私は何も言えないんだよね。
あまりのヴァロンの溺愛ぶりに、ヒナタも明らかに私よりも彼に懐いてるし。
最近はヴァロンが仕事から帰ってくると、もう私の方には目もくれないヒナタ。