夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

【自宅】

自宅に着くと、なんと最高のタイミングでヒナタは熟睡していた。

まさに、奇跡！
私は荷物をひとまずテーブルに置くと、ゆっくりと奥の部屋に移動して、起こさないよう抱っこ紐を解くとヒナタをベビーベッドにそっと寝かせた。

……。

少し様子を伺うが、気持ち良さそうに寝ていて起きる気配はない。


よかったぁ！
よし、今がチャンスだぁ〜！

ヒナタが眠っているうちにお菓子作りを進めてしまおうと、私はダイニングキッチンに移動してテーブルに置いていた荷物を袋から取り出す。

……。

「……あれ？」

その時…。
私はいつもと違う違和感に気付いて、部屋を見渡した。


「…リディア？」

いつも私が買い物から帰って来たら、鳴きながら駆け寄ってくる猫リディアの姿がない。
仮に寝ていて出迎えが遅れても、私が荷物整理する袋の音を聴いて、いつも寄ってくる筈なのに…。