夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「……リディア?
…っ…リディア?どこ…?」
何故だかすごく不安になって、私は名前を呼びながら部屋を探し歩く。
キョロキョロと視線を泳がせていると…。
背もたれに隠れたソファーの端から、猫リディアのフワフワの尻尾が見えた。
「…リディア、ここに居たんだ。良かった。
……。!……っ…?!」
猫リディアを見付けたとホッとしたのも束の間。その姿を見て私はゾクッと震えた。
私の目に映ったのは、いつもの様に丸くなり、気持ち良さそうに眠る姿ではなく…。
ぐったりとして、苦しそうに息をしながら、ソファーに横たわる猫リディア。
「っ…リ、ディア?
リディアッ…どうしたのっ?」
今朝は元気だったのに、突然急変した猫リディアの姿に私は動揺を隠せない。
慌てて屈んで触れてみると、まだ温かいし、微かに私の方を見て弱々しく鳴いた。