夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
……
………。
「……あれ?」
ヴァロンさんの自宅の建物にある一階フロア。
上に行くにはそこに続く扉を居住者が持つ専用の鍵を使って開けるか、管理人さんか警備さんに解除してもらうか、二つの方法しかない。
当然私は鍵を持っていない為、いつも管理人さんに開けてもらうのだが…。管理人室には珍しく誰もいなかった。
お昼の休憩。
にしても、全員が同時に取るわけはないし…。
”少し席を外します”の札も出されていない。
「……どうしようかな。」
出直そうかとも思ったが、何やらいつもと違う雰囲気が気になった。
ウロウロしながら、ふと上の階に続く扉の近くを通ると…。
ウィンッ…!
と、いう音がして、いつもは絶対に開かないはずの自動扉が…開いた。