夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「!…えっ?……え?なんで…?」
ここの管理人や警備の人は全て元夢の配達人で、その中でもマスターさんが選んだ特別な人達だと聞いていた。
安全性が高く、ヴァロンさん達のように位の高い夢の配達人の私生活を守る為に建てられた家。
それなのに…。
この静けさ、解除されている自動扉。
「……っ!」
絶対に怪しい。
そう確信して、私は自動扉を通り抜けると一目散にヴァロンさんの部屋を目指して階段を駆け上がった。
この建物の最上階の角部屋にあるヴァロンさん部屋。
長く感じるのは、心拍数が上がるのは部屋が遠いからじゃない。
嫌な予感がする。
どうか気のせいであってほしい、と願いながら…。
私はヴァロンさんの部屋の前に辿り着いた。