夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「…おい、何だ?お前は。」
「っ…貴方達こそ、誰ですかっ?!」
黒スーツの男の問い掛けに私が咄嗟に質問を返すと、その奥にも人が居る事に気付く。
その中には…。
背の高い、黒に近い灰色の髪と瞳の男性に羽交い締めにされるように捕まっている…アカリさんの姿。
「!…アカリ、さんっ?
これは、一体…っ……。」
私と目が合ったアカリさんは、瞳を潤ませて震えていた。
その様子に、ドクンッと高鳴る嫌な心拍が私に告げる。
危険だ。
あのアカリさんを羽交い締めにしている人達は、みんな”敵なんだ”と…。
私がそう思った次の瞬間。
アランという男はククッと笑って黒スーツの男達に命令する。
「……目撃者は邪魔だ。始末しろ。」
「!っ……や、やめてッ…!」
廊下に響くアカリさんの叫び声。
そして、私の1番近くにいた黒スーツの男が私の胸倉を掴んで…。手を振り上げた。
……
………。