夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
……。
けど、私はやっぱり…リディア母さんの娘だから……。
強くて、真っ直ぐ生きた人の娘だから…。
私も自分の力を、大切な人の幸せの為に使いたい。
……。
静まり返った廊下。
私はヴァロンさんに貰った花型の髪飾りを外して、上着を脱いで、玄関の靴箱の上に置いた。
そして、長いスカートをビリッと破ってスリットを入れて動きやすくすると…。
目の前に立ち憚る黒スーツ達を見据えて、その場を駆け出した。
私は、夢の配達人白金バッジのヴァロンとリディアの娘。
立派な両親の娘として、恥じない自分で在りたい。
幼い頃から憧れた、自分の大好きな王子様がお姫様と幸せになれる未来を創る、女戦士になってみせる。
花のように可愛いお姫様になれなくて、ごめんなさい。
そう、もう一度心の中で謝る私の心に…確かに聞こえた。
”しっかり生きなさい、ユイ。”
リディア母さんの、声。