夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
三十路を過ぎてから、初恋をするなんて思わなかった。
両親に売られて、色街で娼婦として育った私にとって男は”金”。
生きていく為に必要な、ただの道具だった。
生まれ持った美しい美貌と、幼い頃から男を悦ばせる為に磨いた知識と技術。
おかげで私は、商売の拠点としていた地方では1番の売れっ子。
微笑んで、甘えて、男の希望に応える。
ただそれだけで、大金が手に入った。
…でも、世の中って残酷よね。
男って生き物は、すぐに古い物には飽きて、新しい物に貪りつくの。
三十路を過ぎた頃。
私は後から入ってきた若い娘達に居場所を奪われて、次第に客も減ってきた。
何か、良い手はないかしら…。
そう思っていた私に、いいカモが寄ってきた。
でも…。
それは15歳の、どうみても童貞の坊やだった。