夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
なので、この時期は配達人だけでなく調査員もバタバタと色んな場所に駆り出されて手一杯。
まさに繁忙期というやつだ。
いつもはヴァロン様専属のように動いている私とレイも、この時ばかりはそうもいかない。
「あ〜…。
アカリさんのご飯食べた〜い…。」
ヴァロン様を思い浮かべると同時に、奥さんのアカリさんの事を思い出す。
ヴァロン様は私達姉弟にとったら、神様のような存在。尊敬してるし、誰よりも憧れている大好きな人。
だから正直、最初に”お嫁さん”という存在のアカリさんを素直に受け入れたくない、と思う自分がいた。
私は多分、嫉妬してたんだよね。
恋というよりは、お兄ちゃんを彼女に取られたって気持ちのが近い感じで、ちょっと面白くなかった。
簡単に他人に笑顔を見せたり、心を開いたりしないヴァロン様が選んだ特別な人。
そんなヴァロン様が何故アカリさんを選んだのか、理由はすぐに分かった。