夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
夢の配達人の為の建物。とは言っても、せいぜい新聞や雑誌の記者達がしつこく嗅ぎ回ってきたり、万が一ファンや嫌がらせ目的で来た人達を防ぐ為のもので…。
大きな事件が起きた事なんて、これまで一度もないと聞いていた。
セキュリティーを解除し、防犯カメラまで落とす、計画的な犯行。
そうまでして狙われる人物なんて、この建物に住む人はたった一人しかいない。
「っ…!!」
「!…姉さんッ!」
ボクがハッとした時。すでに姉さんはその場を駆け出して、上の階に行く為の自動扉を抜けて行った。
「すみません!ここはお任せしますッ…!!」
他の調査員達にその場を任せると、ボクも慌てて駆け出して姉さんを追いかける。
ボクと姉さんが目指す目的場所はたった一つ。
最上階の角部屋、ヴァロン様の自宅。
……
………。