夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「うっ…。」と、声を漏らして…。ユイさんが、ゆっくりと目を開けた。
「!…ユイさん?大丈夫ですかっ…?
ボクが誰だか…分かりますかっ?」
なるべく揺らさないように語り掛けると、彼女は虚ろな瞳でボクを見て、口を開く。
「……、レイ…さん……?」
その一言に心から安堵した。
けれど、ユイさんはハッとした様に奥の部屋の方を見つめて、慌て始める。
「っ…ヒナ、ちゃん……。
ヒナちゃん!ヒナちゃんッ…!!」
「!…ユイさんッ?
お、落ち着いて下さいっ…!ユイさん…!」
腕の中で暴れるユイさんを必死になだめていると、そんなボク達の元へ姉さんが戻ってきた。
泣き止んだものの、まだ「ひっく、ひっく…。」とぐずっているヒナタちゃんを抱いて…。
その、姉さんの表情は…暗い。