夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「っ…姉さん?……。
ヒナタちゃん、だけ?アカリさんは…?」

まさか、と思いつつも…。
信じたくないボクに、姉さんは首を横に振った。

……。
ひと足、遅かった。
ボク等が駆け付けた時、すでにアカリさんはこの場にはいなかったのだと悟る。


「っ……何で、こんな事にッ……。」

もう少し早くアカリさんの元を訪れていたら…。と、悔やむボクの腕の中で、ユイさんが泣きながら呟く。


「……っ。
私の…ッ、…私の…せい…だっ……。」

「!…え?」

「っ……私が、ちゃんと守れていたらッ…。
アカリさんはっ……。」

「!……ユイさん?
もしかして、アカリさんを連れ去った人物を見たんですかっ…?!」

ユイさんの言葉に、姉さんが血相を変えて尋ねる。
現場に居合わせのなら、すぐにでも詳細を聞きたかった。

でも…。
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