夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「ユイさん!教えて下さい!
一体誰がこんな事をッ…?!」

「っ……ごめん、なさいッ…。
ヴァロン…さんっ…、ごめんな…さいっ…。」

「ユイさんッ…!」

ユイさんは何度も何度も謝るばかりで、とても落ち着いて話せる状態ではなかった。


「っ…姉さん、ひとまず隠れ家に行こう。
ヒナタちゃんをここに置いておけないし、ユイさんも医者に診てもらった方がいい。」

「……そう、ね。
っ……。うん、隠れ家に行こう。」

……
………。

ボクと姉さんは現場を他の調査員達に任せ、通信機でシュウさんに連絡を取ると、隠れ家に向かった。

……。

こんなにも、自分が無力だと感じたのはあの日以来。
目の前で瓦礫に埋もれた父さんと母さんを、助ける事が出来なかった…あの時以来だった。
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