夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

そもそも、以前の長期任務も、今回の事件も…。
最終的な命令を下しているのは、アラン様ではなかったのだ。

アカリさんを人質に取り、ヴァロンが絶対に逆らう事の出来ない策を企てている黒幕は…。
別に居たんだ。


長期任務は、ヴァロンの力量を図るのが目的。
アラン様とは全く別のやり方と才能を持つヴァロンを、見極める為。

……。
そして、アラン様より優れた器であるヴァロンを取り戻す為に…。敵は今回の事件を起こした。
ヴァロンを、”自分の後継者にする為”に…。


「……依頼人、シャルマ。」

新しいヴァロンへの指名依頼書。
依頼先と依頼内容はアラン様からの依頼書と全く一緒の中、依頼人の名前が変わっていた。

シャルマ。
その人物は、ヴァロンとアラン様のお父上である前社長リオン様のお父上。
そして、現社長であるアラン様の更に上をいく存在。

ヴァロンとアラン様の祖父、シャルマ会長。

この人物の存在に気付く事への遅れが、私にとっての最大の誤算であり、致命傷だった。

……
………。
< 223 / 402 >

この作品をシェア

pagetop