夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「…よし。
なあ、帰りに取りに来るからさ。これ、可愛くラッピングしといてくれるか?」
「はいよ。了解です!」
俺はアカリへのプレゼントと、ユイの誕生日プレゼントに選んだ可愛い花で作った犬の置き物のラッピングを店長に頼みながら、支払いを済ませる。
その時ふと、側にあった白いバラが目に入って…。さっき通信機で仕事終わりの連絡をした、シュウの事が浮かんだ。
…花なんて喜ぶか分かんねぇけど。
今日は感謝の気持ちを伝える、って意味もあるしな。
「な、この白いバラも一輪くれよ。
これはラッピングいいから、このまま貰っていくわ。」
変に可愛いラッピングしたら、シュウは絶対に恥ずかしがって素直に受け取らないと思った。
さり気なく机の上に飾ってやろうと、俺は追加の料金を払って、白い一輪のバラを手に店を出た。