夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

……
………。

胸ポケットにしまっていたサングラスを掛けて、隠れ家に居るシュウの元へ行こうと歩き出すと…。鞄の中の通信機がピーッ!ピーッ!と鳴り始めた。

花屋に寄り道してたから、仕事終わりの報告をしてから帰還が遅い俺を、シュウが心配して連絡してきたのかも知れない。
そう思って通信機を取り出して、確認する。

…が。
その着信はシュウではなかった。


?……誰だ?

見慣れない、登録されていない通信先。
不審に思ったが、以前ホノカさんが内密に俺を呼び出してくれた際の事もあり…。俺は道の隅に寄ると、通信をONにして耳に当てた。


「…はい?」

一応警戒しつつ、そう短く応答すると…。


『久し振りだな…。ヴァロン。』

「!っ……。」

返ってきた言葉に…。
いや、その声に…。
俺の心臓はドクンッと跳ねて、”なぜ奴が?”と、一気に嫌な気分になる。
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