夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

(2)


自分の身は、自分でしか守る事が出来ない。
大切なものは、自分の手で守るしかない。

そう、分かっていた筈だった。

……。

泣く事も笑う事も、僕はやめた。


幼い頃、公園でいつも独りぼっちだった。

”一緒に遊ぼう”って、声を掛けても…。
みんな僕を見て逃げて行くんだ。

僕の容姿を見て、”一緒に遊んだら汚れる”、”触るな、醜い姿がうつる”って…。

大人も、子供も…。
泣いたって誰も助けてなんてくれない。

だから、泣く事なんて…意味がない。

……。

いつも、笑顔でいようと思ったよ。

”悲しい時も笑顔でいれば、良い事がある”…。
”人は鏡だから、笑顔でいれば相手も笑顔になってくれる”…。

大好きな人が言った夢の言葉。
そう、信じてた。
< 236 / 402 >

この作品をシェア

pagetop