夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
(2)
自分の身は、自分でしか守る事が出来ない。
大切なものは、自分の手で守るしかない。
そう、分かっていた筈だった。
……。
泣く事も笑う事も、僕はやめた。
幼い頃、公園でいつも独りぼっちだった。
”一緒に遊ぼう”って、声を掛けても…。
みんな僕を見て逃げて行くんだ。
僕の容姿を見て、”一緒に遊んだら汚れる”、”触るな、醜い姿がうつる”って…。
大人も、子供も…。
泣いたって誰も助けてなんてくれない。
だから、泣く事なんて…意味がない。
……。
いつも、笑顔でいようと思ったよ。
”悲しい時も笑顔でいれば、良い事がある”…。
”人は鏡だから、笑顔でいれば相手も笑顔になってくれる”…。
大好きな人が言った夢の言葉。
そう、信じてた。