夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
”…なんで、あんたなのよ!”
”あんたなんか、生まなきゃよかった…!!”
笑顔の僕に、母さんが泣きながら言った。
……。
それでも、いつか笑ってくれると思った。
”…行きなさい、ヴァロン。”
母さんが初めて僕に微笑んだのは、別れの時。
目の前に積まれた札束と、僕を引き換えにした時。
……。
涙も、笑顔も、いらない。
もう、何も…いらない。
そう、思ったのに…。
なんで忘れてたんだろう?
こんなに大切な事を、何で忘れてたんだろう。
……。
あの日、奪われた大切なもの。
その瞬間から、全てが崩れた。
奪い返す為に必要なものは、自分自身の力しかなかったのに…。
……そう。
甘えも、優しさも、いらない。
他人の力なんて、いらない。
……
………。