夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「ッ……。」

依頼書を、持つ手が震える。

その依頼が届いて、依頼書が作成されたのは…。もう、一ヶ月以上も前だった。


……。
怒り?悲しみ?

……いや、違う。
それは…。どうしようもない、後悔だった。


この依頼に早く気付いていたら、アカリを…。
大切な人を奪われたりしなかったのに…。

俺は、何をしてた?
最後別れる時のアランの様子から、奴がまた何か仕掛けてくるかも知れないという予測ぐらいついた筈だった。

何を根拠に、油断して…。
平和で幸せな時間に浸ってた?

……。
完全に俺の落ち度だ。と、分かっていた。
マスターやシュウがこの依頼書を、何の意図もなく隠す訳ないとも…分かっていた。

……でもっ。


”……続きなんて、ある訳ないだろ?
幸せな夢の話は、もうおしまいなんだよッ…。”

…誰かが。
ボクニ、ソウツゲタ……。


「!?ッ…ぁ…!…いっ…て、ぇ……っ。」

再びズキズキと、過去の断片的な記憶と今の想いが重なる頭痛が責めるように襲ってきて、俺を壊す。
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